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メディア芸術演習 VI – メディア・アート II
多摩美術大学2011年度

授業概要

  • 多摩美術大学 情報デザイン学科 情報芸術コース
  • 久保田晃弘 (月曜日 3〜4限)
  • 田所淳 (火曜3〜4限)
  • 助手:山本詠美

この授業について

この授業では、openFrameworksを用いて、メディアアート作品を制作するための実践的なスキルを演習を通じて身につけます。

メディアアート作品を制作するために、プログラミングが必ずしも必要ということはありません。画像編集、映像編集、音響生成など、既存のアプリケーションを用いて高度な作品を制作することは可能です。しかし、より深いレベルでメディアそのものを扱った作品を制作しようとするとき、既存のアプリケーションでできることの枠をすぐに越えてしまいます。

コンピュータを道具として考えるとき、他の道具と大きく異る点があります。それは、コンピュータは道具自身を作りだすことができる道具であるという特徴です。既存の道具では自分の表現の要求に足りないのであれば、自分自身でその表現のための道具や仕組みを作りだすことができるのです。

こうした際に必要となるのがプログラミングの技術です。高度なプログラミングの技術を身につけることで、表現の幅は格段に拡がります。しかしながら、既存のアプリケーションを使用するのに比べると、プログラミングのスキルを身につけるのは困難を伴うことも事実です。ひとつひとつの技術を一から理解しようとすると、半年ではとてもカバーすることはできないでしょう。

この授業で扱うopenFrameworksは、制作のためのツールがすぐに使用できるように用意された、表現のためのツールキットです。図形の描画、アニメーション、音の入出力、動画、フォントの読み込みなど、制作の際に必要となる機能がたくさん詰めこまれています。openFrameworksを使用することで、短期間で高度な表現のための技術が身につけることが可能となります。

この授業を通して、本当の意味でのメディアを駆使した表現としてのメディアアート作品を制作するための基礎体力を身につけることができればと考えています。

講義ノート

ワークショップで扱うトピックス(予定)

  • openFrameworks入門:openFrameowrksとは、サンプルを実行してみる、新規プロジェクトの作成、簡単なプログラムを作成してみる
  • プログラミング基礎:openFrameworksの基本構造、変数、集合、逐次処理、反復、条件分岐
  • 色と形態:openFrameworksによる描画、openGLの使用、色について、テクスチャー
  • アニメーション:座標、座標の移動、数式によるアニメーション
  • 様々なメディアの利用:音を扱う、動画を扱う、フォントを埋めこむ
  • 生成的表現:数式による形態の生成
  • オブジェクト指向:クラスを利用したプロジェクトのモジュール化
  • C++ プログラミング応用:ポインタの理解、メモリの管理、デバッグの手法
  • 作品制作のための実践:GUIを利用したパラメータの調整、ofxSimpleGuiToo
  • 作品制作のための実践:高度なアニメーション、ofxTween
  • 作品制作のための実践:物理演算、ofxBox2D、ofxMsaFluid
  • 作品制作のための実践:画像認識を利用したインタラクション、ofxOpenCV
  • 作品制作のための実践:ネットワークの活用、ofxOsc、ofxHttpUtils、ofxHttpServer
  • 作品制作のための実践:オーディオビジュアル、音響合成言語との連携、ofxPd、ofxSuperCollider、ofxSuperColliderServer
  • 作品制作のための実践:大規模なアプリケーションを構築するには、ofxMultipleApp

参考リンク