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Podcastで、タマフルの放課後ポッドキャストでの町山さんのBeck評を聞いた。映画Beckに関しては観ていないのでなんともいえないし、たぶん今後も観ることはないので特に感想は無いのだけれど、その論評の中で「ロックの歴史はだいたい10年単位で、高度に発達したらまたそれをカウンター勢力が生まれて破壊するくりかえし (大意) 」という発言があり、なるほどなあと思った。ロックというジャンル自体が高度に発展しすぎて煮詰ってくると、パンクやヒップホップなど常にそれを破壊する動きが生れてまたシーンが活性化する。そこで重要なのが「これだったら俺だってできるじゃん!」と感じられるかどうかという部分だという指摘。

確かにそうかもしれない。「自分だって頑張ればできそう」と思えるからこそ、バンドを始めてみようと思ったり、ギターを買ってみたり、シンセとシーケンサーを買って打ち込みをしてみるのかもしれない。今だったらターンテーブルを買ってDJをしてみるというのが一番身近な「俺でもできるじゃん」なのかも。

それが、最近感じたモヤモヤについての一つのヒントになった。

あまり詳細は書きずらいのだが、先日授業のゲストに某Webプロダクションの方が来て、プロジェクトの参加を募るプレゼンをしてたときに、意外なほど教室には熱気がなく、多くの学生があまり興味がなさそうな感じだった。うーんこれはFlashという技術が徐々に別のものに替わりつつある前兆なのか、と当初は思っていたのだけど、少し実態は違うのかもしれない。

要は、最近の大規模な広告系のキャンペーンサイトには「これだったら俺にもできるじゃん!」と感じられないのかもしれない。考えてみると、僕がFlashに夢中になって一番いろいろ試行錯誤していた時期は、有名なサイトをみても、頑張れば自分も作れそう、と思うものが多かった。もちろん、当時でも物量で勝負したり有名人の露出を売りにするサイトもあったが、メジャーな路線は努力すれば手の届く範囲にあった気がする。

ところが、最近はどうかというと、TVコマーシャルと遜色ない洗練された映像を駆使していたり、大規模なシステムを駆使しなければ実現できそうもなかったりするものが多くて「これなら俺でもできるじゃん」感がほとんど感じられないサイトが多いのかもしれない。アクセスしても、なんだかすごいね、で終ってしまう。

個人的な勝手な期待としては、こうした高度な表現が最高地点まで高まったときに、それをぶち壊すようなパンクな勢力が台頭きて欲しい。荒削りなんだけど、Webの面白さを再発見させてくれるようなサイトがいろいろ出てくるとまた「俺でもできるじゃん」という人達がたくさん生まれてくる。結果としてシーンがまた活性化するという。

もしかしたら、自分が耄碌しすぎて、そうした動きに気付いていないだけなのかもしれないが…