人工知能と創作 2025

- 東京藝術大学芸術情報センター (AMC)
- 開講責任部署 美術学部
- 対象学生:美術 学部・修士・博士)、音楽(学部・修士)、国際(修士)
- 講義開講時期 後期
- 基準単位数 2
- 金曜日3時限
- 校地 上野 (AMC)
授業概要
2025年、生成AIは単一のタスクをこなす「ツール」から、テキスト、画像、音声、動画、さらには3D空間といった複数のモダリティを統合的に扱う「協創パートナー」へと進化を遂げました。本講義では、この大きな技術的転換点を踏まえ、人工知能、特にマルチモーダルな生成AIの基礎から応用までを横断的に探求します。
講義の前半では、次世代大規模言語モデル(LLM)の進化を概観し、対話を通じたアイデア創出から、SoraやKlingといった最先端の動画生成AI、SunoやUdioによる音楽制作、そしてテキストや画像からの3Dアセット生成まで、各分野の最新技術を実践的に学びます。中間課題として、これらのツールを用いた自己表現の拡張を試み、講評会を通じて議論を深めます。
後半では、より専門的かつ未来志向のテーマへと進みます。NeRFや3D Gaussian Splattingによる現実空間のデジタルツイン化、リアルタイムAIとのインタラクティブなパフォーマンス、自律型AIエージェントとの協業ワークフローといった、新たな創作の地平を探ります。また、2025年5月に施行された日本のAI関連法を基に、クリエイターが直面する著作権や倫理的課題について考察します 。最終的には、各受講者がこれらの知見を統合し、独自の創作プロジェクトを企画・制作し、展覧会形式での最終講評会に臨みます。
講義ノート
- イントロダクション:2025年のクリエイターとAI
- 生成AIの基本原理:拡散モデルとTransformerの進化
- 画像生成AI:Midjourney, Stable Diffusion, DALL-E 3の最新動向と比較
- テキスト生成AI:大規模言語モデル(LLM)の創造的活用
- 音楽・サウンド生成AI:Suno, Udioから見る音楽制作の未来
- 動画生成AI:Sora以降の世界と映像表現の変革
- [ワークショップ] AIを用いたアイデア発想とコンセプトメイキング
- プロンプトエンジニアリング:AIとの対話術
- AI時代の著作権と倫理:クリエイターが知るべきこと
- AIと身体性:フィジカルな表現とAIの融合
- 3D・空間生成AIとメタバース/VR空間での創作
- 自律エージェントとインタラクティブアート
- [ワークショップ] 自分の作品にAIを組み込む
- AI時代のクリエイティビティとは何か?
- 最終課題発表・講評