多摩美 - “iTamabi” – iPhoneアプリ開発プロジェクト 2010
openFrameworksを、iOS4用にビルドする
openFrameworksを、iPhoneのiOS4用にビルドする方法について解説します。このページでは、下記の環境でテストしています。
- Mac OS X 10.6.4
- openFrameworks iPhone v0061 FAT (http://www.openframeworks.cc/versions/preRelease_v0.061/of_preRelease_v0061_iPhone_FAT.zip)
- Xcode 3.2.3 and iOS SDK 4.0.1
- iPhone 3G (iOS 4.0.1)
Xcodeと、iOS SDKの最新版をダウンロードする
XcodeとiOSX SDKの最新版を、Apple Developper Center (ADC) からダウンロードしてインストールします。iPhone Dev CenterのURL (http://developer.apple.com/iphone/) にアクセスし、登録したADCのアカウントでログインした上で、「iOS SDK 4」のタブを選択します。「Downloads」のメニューより、「Xcode 3.2.3 and iOS SDK 4.0.1」を選択し、ダウンロードします。
ダウンロードしたディスクイメージをダブルクリックしてマウントし、インストーラーを起動して、XCodeとiPhone SDKをインストールします。
FreeImageのライブラリをダウンロード
下記のリンクより、iOS4用にビルドし直されたバージョンのFreeImageのライブラリをダウンロードします。
FreeImageのライブラリを入れ替え
openFrameworksの配布パッケージ内のFreeImageのライブラリを、ダウンロードしたiOS4用のライブラリと入れ替えます。
既存のライブラリを消去します。
- of_preRelease_v0061_iPhone_FAT-pre3/libs/FreeImage/lib/iphone/libFreeImage_iphone_universal.a
既存のFreeImageのライブラリは消去 (画像をクリックで拡大)
同じフォルダにダウンロードしたライブラリ(2種類)をインストールします。iOS4用のライブラリは、ダウンロードしたフォルダの「FreeImage/lib/iphone/」以下にあります。その中身を以下の場所にコピーします。
- of_preRelease_v0061_iPhone_FAT-pre3/libs/FreeImage/lib/iphone/libfreeimage-iphone.a
- of_preRelease_v0061_iPhone_FAT-pre3/libs/FreeImage/lib/iphone/libfreeimage-iphonesimulator.a
ライブラリをiOS4用のものに置き換えた状態 (画像をクリックで拡大)
※ includeフォルダの中身は変更の必要はありません。
openFrameworksのプロジェクトにFreeImageライブラリを追加
まず、XCode 3.2.3で、openFrameworksの既存のプロジェクトファイルをオープンします。左側の「グループとファイル」のリストから、FreeImageのiPhone用ライブラリのフォルダ内にある古いライブラリを選択します。
- [プロジェクトのアイコン]/libs/core/core libraries/FreeImage/lib/iphone/libFreeImage_iphone_universal.a
ファイルを選択した状態で、Deleteキー、もしくは右クリックで表示されるリストから「削除」を選択して、ファイルを削除します。
次に、ライブラリが格納されていたiphoneフォルダを右クリックして、「追加」→「既存のファイルの追加」を選択します。ファイルの選択画面が表示されるので、iOS4用のライブラリを選択して、「追加」を選びます。
- of_preRelease_v0061_iPhone_FAT-pre3/libs/FreeImage/lib/iphone/libfreeimage-iphone.a
- of_preRelease_v0061_iPhone_FAT-pre3/libs/FreeImage/lib/iphone/libfreeimage-iphonesimulator.a
FreeImgeライブラリ内のiphoneフォルダに既存ファイルを追加する
この操作は、プロジェクトを新規に作成する際に毎回必要となります。ライブラリーをiOS4用に設定した空のプロジェクトファイルを作成して、新規に「EmptyProject」という名前で保存して再利用すると、次回はその「EmptyProject」をコピーすることで設定済みの状態から初めることが可能です。
Xcodeビルド設定の変更
iOS4に更新した関係で、以前のプロジェクトファイルに設定されていた、ビルドの設定が使えなくなっています。最新版の環境にあわせて、ビルドの設定をする必要があります。設定箇所は2箇所です。
「グループとファイル」のリストの一番上にある、プロジェクトのアイコンを選択した状態で、メニューバーから「情報」を選択し、設定画面が表示されるので、「ビルド」のタブを選択。
- 「アーキテクチャ」→「ベースSDK」の設定を、「iPhoneデバイス 4.0」に
「グループとファイル」のリストの「ターゲット」の中にある実行ファイルのアイコン(例:emptyExample)を選択した状態で、プロジェクトファイルと同様に変更。
- 「アーキテクチャ」→「ベースSDK」の設定を、「iPhoneデバイス 4.0」に
iPhone実機で動かす場合には、ofxiphone-info.plistの設定や、コード署名IDの設定を行います。
あとは、メニューバーの「概要」で、「Simulator」か「Device」かを選択し、「ビルドと実行」ボタンを押して実行します。
追記:iPad (3.2 or 3.2.1) 用にビルドする
iPad用にビルドするには、上記のiOS4の設定と同じ操作をした後で、追加で以下の設定をすることでビルドが可能となります。
「グループとファイル」から、「ターゲット」内にある実行ファイル (例:emptyExample) を選択し、右クリックします。表示されるメニューから「現在のターゲットをiPad用にアップグレード」を選択します。
アップグレードの形式を、iPhoneとiPadで共通の1つのユニバーサルアプリケーションにまとめるか、2つの独立したアプリケーションにするかを選択します。この説明では、1つのユニバーサルアプリケーションを選択しています。
最後にメニュバーの「概要」のプルダウンメニューから「アクティブな実行可能ファイル」の中からiPad用の実行可能ファイルを選択します。
これで設定は完了です。「ビルドして実行」ボタンを押すと、シミュレータ、またはiPad実機でopenFrameworksのアプリケーションが動作します。