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前橋工科大学 – デザイン演習 II 2022

「家具の映像」制作のためのリサーチ課題

Kerl Sims, Seven Experiments in Procedural Animation (2018)

プログラムを用いて視覚的な表現を行おうとする際に、何もないまっさらな白紙の状態からオリジナルの表現を生みだすことはとても困難です。何らかの手掛かりがないと何をしてよいのかさっぱり分からないという人がほとんどだと思います。

他の学問と同様に、プログラミングを用いたアルゴリズミックな表現に関しても長い歴史の中で多くの人が知恵を絞って生みだした膨大な過去の遺産があります。偉大な先人達の成果を学ぶことで表現の幅や深みが格段に進化し拡がっていきます。

今回は課題作品制作のためのリサーチとして2つの課題を出題します。それぞれじっくりと時間をかけて取り組んでください。次回の演習で課題1、課題2それぞれに関してプレゼンテーションをしていただきます。

課題1 : 理論編 – Digital morphogenesis (デジタル形態生成)

下記のリンクの資料を参照してください。

この資料では、膨大な数のアルゴリズムによる形態生成 (digital morphogenesis) の事例が紹介されています。項目名を列挙すると以下の通りです。

成長アルゴリズム

Dielectric breakdown model (DBM), Diffusion-limited aggregation (DLA), Differential growth, Eden growth model, Physarum, Primordial Particle System, Reaction-diffusion, Space colonization

数学または物理モデル

Archimedean solids, Cellular automata (CA), Collatz conjecture, Cymatics, Delaunay triangulation and Voronoi diagrams, Fibonacci sequence, Fourier series, Fractals, Geodesic dome, Golden angle, Golden ratio, Implicit surface, Inverse and forward kinematics, Laplace transform, Lissajous curves, Medial axis, Minimal surface, Packing problems, Percolation theory, Phyllotaxis, Platonic solids, Saffman–Taylor instability, Spherical harmonics, Strange attractors, Superellipse, Superformula, Travelling salesman problem (TSP)

実験

Belousov–Zhabotinsky (BZ) reaction, Chladni plate, Hele-Shaw cell, Schlieren imaging

プログラミングのパターンと技術

Agent-based modelling, Boids, Constructive solid geometry (CSG), Collision detection, Dithering, Flow field, Fluid simulation, Fluid simulation, Marching squares, Marching cubes, Metaballs, Noise, Particle system, Physics engine, Polygon clipping, Ray tracing, Recursion, Shaders, Signed distance function (SDFs), Spatial index, Vectors, Wave Function Collapse (WFC)

課題 :

デジタル形態生成のアルゴリズムの中から気になったものを1つ選択し、そのアルゴリズムについて他の履修者にも分かるように解説する資料を作成してください。次回の演習で各自発表してもらいます!

  • スライド資料を作成してプレゼンテーションする (スライド5枚程度)
  • どのようなアルゴリズムなのか、その概要を説明
  • そのアルゴリズムを使用した実例を紹介
  • 調査した感想、どのような応用が可能かなど簡単な考察

課題 2 : 実践編 – Generative Design (生成的なデザイン)

下記のURLは、書籍「Generative Design」のサポートサイトです。(次回の演習で書籍を持参します)

この書籍自体が大変すばらしいのですが、このサイト単体でもとても有用な資料となっています。特に今回の演習に役に立つポイントは、書籍内で紹介されている生成的な形態の実例がp5.jsのコードとして書かれている点です。

サイト内に掲載されているサムネイルを選択すると実際に動作する実例が参照可能です。そして「Open in p5.js editor」のリンクを押すと、p5.js editor上でソースコードを読むことができます。

課題 :

Generative Designで紹介されているコードサンプルから1つ選択して何らかの変更を加えてください

  • 何を変更するのかは自由です
  • パラメータ : 色、サイズ、速さ
  • インタラクション : インタラクションの手段や仕組みを変更
  • アルゴリズム : 形態を生成するアルゴリズム自体を変更

変更を加えたコードをOpenProcessingに投稿してください。その際にタグ mitdesignws221013 をつけるようにしてください。


課題は以上2つです。じっくりと取り組んでください!!