Software and Bio Art Workshop 2009
Max/MSP入門2:音響合成
授業スライド
Sbaw090428
View more presentations from Atsushi Tadokro.
スライドをダウンロード (PDF形式)
サンプルファイル
授業で説明したファイルは下記からダウンロードしてください
今日の内容
- Max/MSPの入門その2
- いろいろな音響合成について学ぶ
- オシレータの種類 (正弦波、矩形波、三角波)
- 加算合成
- 減算合成
- 変調合成 (AM, RM, FM)
先週の復習
- cycle~で、正弦波生成
- エンベロープで音量変化をつける
いろいろな音響合成について学ぶ
いろいろなオシレーター
- cycle~の代わりに、いろいろな種類のオシレータを使ってみる
- cycle~
- 正弦波
- rect~
- 矩形波
- tri~
- 三角波
- saw~
- のごきり波
- cycle~
- 複数のシグナルから1つを選択する仕組みも作る
- selector~
- 第1インレットに入力された数値によって、入力を選択する
- selector~
- いろいろな波形を選択して出力するパッチ
加算合成
- 加算合成とは
- パッチの構造化の工夫
- Sin波を生成するサブパッチ “partial~.maxpat” を作る
- 第1インレット:基本周波数
- 第2インレット:倍音
- 第3インレット:位相
- 第4インレット:音量
- “partial~”を6つ並行して接続し、足し合せる → 加算合成の完成
- 加算合成の欠点
- よりリアルな音や深みのある音を生成するには、もっとたくさんのオシレーターが必要となる
- パラメータの数が増大
- 全てをコントロールするのが難しい
- 別のアプローチ
- 既存の音を一度フーリエ変換して周波数成分を分析し、そのデータを変形加工した後、再度、加算方式で合成する
- 分析再合成、フェーズボコーダー (PhaseVocoder)
- 高速コンピュータが出現してはじめて実現
減算合成
- 減算合成とは
- 倍音を多く含んだ音源から、倍音成分を引くことによって、任意の音色を合成する方式
- 多くのアナログシンセサイザー減算合成を使用していた
- VCO、VCF、VCA、EG
- Moogシンセサイザーなど
- フィルター
- 入力された信号に帯域制限をかけたり、特定の周波数をとりだす
- 主なフィルターの種類
- ローパスフィルター (LPF)
- 低周波成分を通過させる
- ハイパスフィルター (HPF)
- 高周波成分を通過させる
- バンドパスフィルター (BPF)
- 特定の帯域の成分を通過させる
- オールパスフィルター (APF)
- 周波数帯域はそのままで、位相成分のみ変化させる
- ローパスフィルター (LPF)
- Max/MSPでフィルタを用いるには
- filtergraph~ と biquad~ をくみあわせると便利
- フィルタの種類やレゾナンスなどを、視覚的に操作できる
- 例:ノイズをフィルタリングする
- saw~を元のシグナルとして、フィルタリングする
- 減算合成方式のシンセサイザー
- 少し改良、オシレータの周波数とフィルタの中心周波数を揺らす
- さらに改良、左右で微妙にピッチをずらしたオシレータを重ねる
変調合成
- 変調合成とは
- 「変調」とは
- 信号(キャリア:搬送波)のパラメータを、もうひとつの信号(モジュレータ:変調波)によって変化させること
- 「変調」とは
- 変調合成の種類
- 音量を変化させる:トレモロ、RM、AM
- 周波数を変化させる:ビブラート、FM
リング変調(RM)
- リング変調(RM)とは
- sin波(キャリア)の音量を、もう一つのsin波(モジュレータ)で変調
- 高速なトレモロ
- モジュレータの振幅は、-1〜1
- Max/MSPでリング変調を試してみる
- 入力をマイクからに変更してみる
- どんな効果が得られるか?
振幅変調(AM)
- 振幅変調(AM)とは
- RMによく似ている
- sin波(キャリア)の音量を、もう一つのsin波(モジュレータ)で変調
- ただし、モジュレータの振幅は、0〜1
- AMをMax/MSPで実現する
- モジュレータ側でDCオフセット値を設定している
RMとAMのスペクトラム(音色)の違い
周波数変調(FM)
- 周波数変調(FM)とは
- sin波(キャリア)の周波数を、もう一つのsin波(モジュレータ)で変調
- John Chowningによって発明(1973)
- Yamaha DX7に搭載され、爆発的に普及
- 複雑な倍音成分をわずかなパラメータ操作で実現できる
- シンプルなFM合成のパッチ
- 超高速な音程のビブラート
- FMでは少ないパラメータで多くの倍音成分を生成することができる
- インハーモニックな音色を生成することも可能
- FMのスペクトラム
- より複雑なパッチにしてみる
- キャリアのモジュレション・インデックス(変調の強さ)をエンベロープでコントロールできるように
- キャリアとモジュレータの周波数は、比率で指定するようにする
- C:M比
- FM変調の部分をサブパッチにしてシンプルに
- FM変調合成を行うサブパッチ “simpleFM~.maxpat”
- インレット
- 基本周波数、キャリア:モジュレータ比、音量
- インレット
- simpleFM~を使って、高度なFM合成を組む