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eGPU設定メモ

この秋に海外でリアルタイムで重めのグラフィック処理をするパフォーマンスを計画している。ゴツいタワー型のデスクトップを使うのがたぶん一番安定していて速いのだけど、運搬が面倒そうなので一人で手荷物で運べる範囲での最速環境を探ってみた。いろいろノウハウがたまってきたのでメモとして残しておこうかと。

今回試した機材の構成はこんな感じ

Dell Prescision 5560には既にNVIDIA RTX A2000 Laptop GPUという強力なGPUを積んでいるので普段は全然不自由しないのだけど、負荷の重めな4K以上の映像をリアルタイムに出力する必要が出てきてもう少しパワーが必要になってきた。新規にNvidia GeForce RTX 3090を買ったのだけどこちらはメインで使用しているタワー型のデスクトップに搭載。そこで使用していたRTX 3080が余ったのでeGPU化に挑戦してみた。

AKiTiO Node Titan用にグラフィクスカードを購入する際にいくつか注意が必要。サイズは最大で32cm(長さ) x 17cm(幅) x 6cm(厚さ) なのでそれ以上のサイズは入らない。特に6cmの厚さ (2.5スロット) よりも分厚い製品が多いので要注意。もうひとつ心配なのは電源容量。RTX 3080では750Wの電源が推奨されている。しかしNode Titanの電源ユニットは最大500W。でもeGPUでは純粋にGPUの電源のみを賄えばよいので750Wフルには必要は無いみたい (具体的な数値は不明) 。ただし電源を供給するケーブルが8pin x 2までしかなのでこれ以上の電源ケーブルが必要なモデルは使えない。接続するノートPC側にはThunderbolt 3端子が必須。また、あまり非力なCPUだと処理が追い付かないかもしれない。

次にシステム側の設定。何も設定せずThunderbolt 3で接続しても一応認識はする。しかし全然フルに性能は出ていない感じで表示がカクつく。なので、Nvidiaのページから最新のGeForce RTX 3080用のStudio Driverをダウンロードしてインストール。ここから検索すると最新版が見つかる。

今回は、NVIDIA STUDIO DRIVER ver. 516.94 をダウンロードしてインストールした。

インストールして再起動すると、無事RTX 3080が正しく認識される。確認のためTouchDesignerやUnreal Engine 5を起動してみた。

しかし…何故か動作がぎこちない。たまに処理が詰まって表示が固まる感じ。どうやら2つのGPU (RTX A2000とGeForce RTX 3080) がバッティングしてしまってるみたい。ここで、ドライバーをいろいろ入れ替えたりクリーンインストールし直したりと試行錯誤してしまった。

結果として編み出した解決方法は、eGPUを繋いでいる時のみコントロールパネルからデバイスマネージャーを起動してRTX A2000のドライバーをDisabledにするというシンプルなもの。これでRTX 3080側の性能がフルに引き出せるようになった。たぶんRTX 3090も同じ方法でいけるはず。

Node Titanの電源が足りるのかちょっと不安だったのだけど、CPUなどの電力はノートPC側の電源で供給しているので今のところは問題無いみたい。

TouchDesignerで4K解像度の映像を60fpsでヌルヌルと安定して動かせるようになった! たぶん8Kくらいまではリアルタイムで出力できるはず (手元に8Kモニターがないので実験できませんが…)

これで機材面の不安は解決したので、あとはゴリゴリと開発していくのみ! 頑張ろう!!