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ミュンヘン

仕事を切りあげた後、渋谷の映画館で「ミュンヘン」を観た。場内は4割ほどの入り。両隣の座席が空いていると、肘掛けを遠慮なく使えるので快適だ。

それにしても、重かった。主人公が徐々に精神的に追い込まれている描写が、観ているこっちまで脂汗をかきそうなくらい息苦しく迫ってくる。あと、銃撃シーンのリアルさに衝撃を受ける。弾丸が貫通して身体に穴が開き、そこからリアルに血が吹きだす。「キル・ビル」のようにひたすらドバーっと吹きだすのではなく、抑制されてリアルに吹きだす。ああ、拳銃で撃たれると、こうやって死ぬのか。銃で撃たれて死ぬのだけはいやだと思う。

ラストシーン、ブルックリンの海辺でシーンの後、ニューヨークの摩天楼を背景にしてエンディングロールが流れる。よくみると、奥の方に貿易センタービルが覗き見える。映画の設定は70年代だけど、スピルバーグは今だからこそこの映画を撮りたかったのかもしれない。暴力の連鎖の不毛さをしみじみと思う。

それにしても、「宇宙戦争」(こちらは未見だが)を撮ってすぐに、こういう映画を撮ってしまうスピルバーグって何なのだろう。