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バ ング ント展
昨日は久しぶりに自転車通勤したので(暑かった…)、会社が終わった後六本木まで自転車で移動して六本木P-Houseで開催中の「バ ング ント展」に行ってきた。
事前にいろいろな文章を読んでいて、展示内容についての予備知識がそれなりにあったのだけれど、実際に会場に行ってみるとまた予想とは違った印象を受けた。作家本人のパフォーマンスの内容(会期中ずっと会場に設置された箱の中で生活している)が強烈なので、全体的にもっと過激な内容なのかと予想していたのだが、予想に反して会場には人も少なく、静謐な空気が漂っていた。しかし、よく見るといろいろ過激な部分がかいま見えてくる、そんな感じ。
会場を入ってすぐに巨大な白い箱に遭遇する。ものすごい存在感を感じる。数人いたギャラリーは、意外にも箱に対して何もアクションしない。もしかしたら、箱の中身を知らないのかもしれない。敢えて何もしていないのかもしれないけど…。とりあえず箱に近づき「しーん」とした空気の中で箱の壁を「コン、コン」とノックしてみた。しばらく反応がない。あれ、ちょっとやばいんじゃない?と思ったら、数秒後にとてもゆっくりと「コン…コン」と返事があった。この時の、鳥肌がたつような、なんともいえない感情は実際に体験してみるまでわからなかった。
会場で、いろいろと考えた。ここではいろいろな存在が「消失」することによって、逆に存在感が増している。矛盾するようだけれど。展覧会の作者自身も存在を消すことで、その存在をアピールする。それは、展覧会の会場の中にいるときだけでなく、むしろ、体験した後に徐々にその存在が無視できないものになる。この文章を書いているときにも強くその存在を意識してしまう。
また、存在を消した側から見ると、逆にこちら側の世界全体が消失しているとも考えられる。天井から地面に落ちる水滴を、水滴の視点から見たら、宇宙全体が水滴に衝突しているとも考えられるように。
まだ、考えがまとまらないので支離滅裂な文章だけれど、とにかく色々なことを深く考えさせられた。
伊藤ガビン氏によるレビュー「木でできたスペースシャトル」。あー、まさにこんな感じ。