前橋工科大学 - 工学デザイン実習 IIIc 2024
オリエンテーション、生成AIについて
本日の内容
- 実習の概要について
- 生成AIについて調査
- 生成AI解説
- 次回までの課題発表
工学デザイン実習IIIc – 概要
今期の工学デザイン実習IIIcのテーマ
生成AIを使い倒す!
今期の工学デザイン実習IIIcでは、現在世界中で注目されている「生成AI」についてとりあげます。生成AIの技術的進歩は凄まじく世の中に多大な影響を与えています。アートやデザインの分野でも無視できません。そこで、今期のは人工知能、特に生成AIの基礎から応用までを探求し、AIを用いた創造的作品を作成するプロセスを探求していきます。
まず始めにGoogleのTeachable Machineを活用してAIの基本を学び、さらにプログラミング支援、テキストと画像生成、音楽、インタラクティブメディアの生成、パフォーマンスアートとAIについて掘り下げていきます。ここまでの内容を元に中間発表を行った上で、受講者はそれぞれで生成AIを用いた創作プロジェクトを企画します。後半は受講者それぞれが企画したプジェクトについて発表し、それを元にディスカッションを行い最終プロジェクトの作成に取り組みます。最後にそれぞれの作品を元にした展覧会を企画し、作品を展示し講評会を行います。
疑問 – 生成AIを使って良いの?
※ この意見はあくまでこの実習の担当田所の個人的なものです。生成AIの使用の可否はそれぞれの講義や実習の担当の教員の指示に従ってください
生成AIの登場は、約30年前にインターネットでの検索エンジンのサービスが開始した当時と良く似ている
- Yahoo!(1994)、Infoseek(1996)、Google(2000)
- 今までは想像もできないことだった
- 多くの知識が一般に開放された
- それまでの常識 (勉強、調査、研究) を覆した
- 検索サービス開始当初は反対する人も多くいた
- 倫理的な視点「ネット検索はずるい」「コピペでレポート」
- 学習効率的な視点「ネットで調べても勉強にならない」
- 著作権的な視点「勝手に情報収集」
- 「政府で規制すべき!」という人も
現在はどうなったか?
- ネット検索はあまりにも強力で利便性が高い
- 人類はもう元の社会には戻れない
- いろいろな問題はありつつ、積極的に利用する方向へ
- ネット検索を使えないことのほうが問題に
生成AIは検索よりもさらに強力な可能性を秘めている
- 「検索」から「相談」へ
- 膨大なデータから新たなものを創造(生成)可能
- 様々なメディアに対応 (文章、画像、音楽、映像、プログラム)
- 誰でもすぐに「巨人の肩の上に立つ」ことが可能
ただし問題点も…
- 書かれている内容には嘘が含まれている可能性
→ ハルシネーション(Hallucination) - 情報漏洩 – 機密情報や個人情報などを安易にChatGPTに送信することは危険
- 著作権を侵害しているという問題提起
- 社会に対する影響 (教育・研究活動)
- 「生成AIはチート(いんちき、ずるい)」という意見もあり
「人類はこの数ヶ月でもうすでにルビコン川を渡ってしまったのかもしれない」
https://utelecon.adm.u-tokyo.ac.jp/docs/20230403-generative-ai
- どのようにしたら問題を生じないようにできるのか
- 方向性を見出すべく行動することが重要
- 活用の可能性を積極的に探る
生成AIは今後アートやデザインといった創作の分野でも無視できない存在となっていくのは確実
- 今期のデザイン実習IIIcでは「生成AI」に正面から取り組んでいきたい
- まだ非常に新しい分野
- いろいろ試行錯誤しながら…
- 今年やった内容が来年にはもう古くなっている可能性もあり
- まだ誰もやっていなかった新たな作品を創作できる可能性大
John Maeda, The Design in Tech Report 2017
一緒に探求しながら新たなデザインを開拓していきましょう!
実習課題
さっそく、生成AIを駆使して調査をしてみる
以下の内容について調査して発表してください (調査時間1時間)
- 以下の4つの用語について、それぞれの定義について
- 人工知能、AI
- 機械学習、マシーンラーニング、ML
- 深層学習、ディープラーニング、DL
- 生成AI、ジェネラティブAI、GenAI
- GPTとは何か?
- (ChatGPTに使われている意味でのGPT)
- GPTとは何か?
- 「G」「P」「T」それぞれの意味
※ 調査には生成AIを用いて構いません! ただしどう使用したかを記録しておくこと。
参考: 調査に有効な生成AIサービス
ChatGPT
- OpenAIの提供する人工知能チャットボット
- 登録無しでも使用できるようになった (GPT-3.5)
- ただし有料版のGPT-4のほうが格段に強力
- 画像生成、コード生成なども可能
Microsoft Copilot
- Microsoftによるサービス
- OpenAI同様、GPTを使用している
- Bing検索と組み合わせたネット情報の調査が得意
- 画像生成、コード生成なども可能
Claude AI
- 会話の流暢さはChatGPTやCopilotを凌ぐ印象
- ただし、まだハルシネーションがきつい
- 現在は限定公開
- 用途によっては有用
解説 – 生成AIについて
映像資料を観ながら生成AIについて理解していきましょう
Introduction to Generative AI – Google
ChatGPT: 30 Year History | How AI Learned to Talk
But what is a GPT? Visual intro to Transformers | Chapter 5, Deep Learning
次週までの課題
この実習では生成AIを用いた創作について探求します。そこで以下の内容について調査してください。次回一人10分ずつくらいで発表してもらいます。
生成AIを用いた創作された作品について
- 生成AIを用いた創作された作品について調査
- アート (メディアアート、インタラクティブアート …etc)
- デザイン (グラフィック、プロダクト、ファッション ..etc)
- 音楽
- …etc.
- できれば自分の興味がある分野で
- どのような生成AIを使用しているのか
- 調査には生成AIを用いて構いません (むしろ積極的に使用してください) ただしどのように用いたのか記録しておくこと
次週までの課題その2
Githubの学生会員になる
- Githubの教育コースに学生登録すると無料で様々な機能が使用可能に
- 今後この演習で使用する高性能なAIコード生成も可能に
- Github Copilot
- 詳細な解説は次回以降に
- 申請してから承認するまで少し(1W程度)時間がかかるので今週中に申請しておく
- 参考: 【GitHub】学生申請をして無料でGitHub Copilotを使う