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Google Chrome OS
Google謹製のデスクトップOS、Google Chrome OSの計画が発表された。巷の反応は賛否両論といった印象。
最近の自分を振り返ると、メールはWebでブラウザで直接Gmailを使い、RSSリーダーはGoogleリーダー、授業の出席確認やちょっとしたアンケートにはGoogle Documentのフォームを利用といった感じで、Google依存が高まっている。だったら、いっそのことOSごとGoogleでもいいやという気もしてくる。MicroSoftの支配に対しては抵抗があるのに、Googleの支配にはあまりそういった抵抗を感じないのは何なのか、自分でもうまく説明できないのだが…。Googleの方がオープンに開かれている印象が強いからだろうか。
大学に入ったときに初めて触れたコンピュータはUNIXのワークステーションだったのだが、その際に個人的に一番衝撃を受けたのは、ネットワークファイルシステムとX Window Systemだったように思う。キャンパス内のどの端末にログインしても、すぐに自分の作業環境が目の前に再現される。マシンを持ちあるくことなく、環境の方が自分の側に移動してきてくれる。この環境が世界中どこででも同じように利用できたら素晴しいと思った。また、いずれはそういう時代になるんじゃないかと漠然と考えていた。ところが10数年後の現実は、相変らず重いノートブックを抱えて汗をかきながら移動している。
Google Chrome OSだったら、あのとき夢想した未来に近づくのかもという期待がある。街中のちょとしたスペースの公共のマシンからでも、すぐに自分の環境を呼びだして、家と同じように作業が可能となる。コンピュータは物理的に持ち歩くものではなく、自分の環境にアクセス可能な端末が環境に溶け込んでそこら中に存在しているイメージ。
ただ、Google Chrome OS上でプログラムの開発をしたり、映像や音楽の創作活動をするかというと、それは無いような気もする。そういった作業はやはり伝統的なOSの完結した環境の中で、これまで通りにするように思う。ちょっとした調べものや軽い事務作業といった生活のツールとしてのコンピュータと、腰を据えてじっくりと作業するための制作マシンとしてのコンピュータは、別に一緒じゃなくてもいい。もしかしたら、開発者とエンドユーザが基本的に同じ環境を使っている現在の状態が、過渡的なものなのかもしれない。