コンピュータミュージック 2017 – 明治大学先端メディアサイエンス学科
授業の概要・到達目標
人間と音響・音楽の関わり方は,新しいメディアが生まれるたびに大きく変革されてきた。本授業では,先端メディア技術による「人間と音楽との新しい関わり方」について考え実践するものである。
本授業ではミュージックコンクレートやミニマルミュージックなど広義の電子音楽史,さらには戦後の現代音楽におけるコンピュータの役割について知るとともに,音響・映像プログラミングとインタフェース制作のための手法を学び,作品制作と発表およびコンサート運営を実践する。
なお,本授業は専門科目であり,いわゆるDTM(デスクトップミュージック)を教えるものでないことに注意されたい。DTMは大学で学ばずともすぐに実践・学習可能なものであり,それについては「コンテンツ・エンタテインメント概論」で紹介と実習を行っている。
講義ノート
- イントロダクション
- Sonic Pi入門1 – ライブコーディングとは?
- Sonic Pi入門2 – サンプルを使う、ランダム化
- Sonic Pi実践1 : 構造化 – イテレーション・ループ・条件分岐、データ構造 – リスト・和音・音階
- コンピューターで音を扱う、SuperCollider入門
- SuperCollider基礎 1 – 音を混ぜる(Mix)、楽器を定義(SynthDef)
- SuperCollider基礎 2 – 変調合成 (RM, AM, FM)
- SuperCollider基礎 3 – エンベロープ (Envelop)、加算合成、減算合成
- Sonic Pi + SuperCollider 1 – Sonic Piで自作Synthをつくる
- Sonic Piで外部サンプルを読み込む、最終コンサートに向けて
授業内容 (予定)
- 第1回:イントロダクション
- 第2回:電子音楽史(1)・先端メディア技術と音楽
- 第3回:電子音楽史(2)・映像と音楽
- 第4回:電子音楽史(3)・作曲・演奏のためのツール
- 第5回:Sonic Pi実習(1)
- 第6回:Sonic Pi実習(2)
- 第7回:Sonic Pi実習(3)
- 第8回:SuperCollider実習(1)
- 第9回:SuperCollider実習(2)
- 第10回:SuperCollider実習(3)
- 第11回:コンサート準備、コンサートの企画・広報
- 第12回:リハーサル実習、PAシステムについて
- 第13回:履修者運営によるコンサート(1)
- 第14回:履修者運営によるコンサート(2)
履修上の注意
プログラミングの基礎知識を有していることを前提とする。作曲や演奏の経験は問わないが、音楽の創作や演奏に対する強い興味と熱意が必須である。
準備学習(予習・復習)の内容
毎回の講義の終わりに、次回の予習内容を告知する。また講義資料をWebサイトにアップするので、各自で復習して理解を深めること。
教科書
なし
参考書
- 『コンピュータ音楽―歴史・テクノロジー・アート』Curtis Roads・青柳龍也・後藤真孝 共著 (東京電機大学出版局)
- 『Pure Data -チュートリアル&リファレンス』 美山千香士(ワークスコーポレーション)
- 『Pd Recipe Book -Pure Dataではじめるサウンドプログラミング』 松村 誠一郎 (ビー・エヌ・エヌ新社)
- Scott Wilson, David Cottle, and Nick Collins. 2011. The Supercollider Book. The MIT Press.
成績評価の方法
授業中に行うプレゼンテーションと最終作品(コンサート運営を含む)をそれぞれ50%として成績評価を行う。
その他
細かなルールについては初回授業で詳しくアナウンスする。