TouchDesigner基本 3 – SOPの基本

本日の内容
本日の講義では、TouchDesignerにおける3Dジオメトリ操作の中心となるSOP(Surface Operators)の基本的な使い方を学びます。SOPは、点、線、ポリゴン、NURBSなど様々な3Dデータを生成・編集するためのオペレーターファミリーです。まず、Sphere(球)やBox(立方体)といったプリミティブ図形の作成方法から始め、Transform SOPなどを用いた形状の変形方法を見ていきます。次に、作成した3Dジオメトリを画像として表示するためのレンダリングについて学びます。これには、Geometry COMP、Camera COMP、Light COMP、Render TOP、そしてマテリアルの設定が必要になります。さらに応用として、SOPを組み合わせて数式やアルゴリズムに基づき形状を自動生成するプロシージャルモデリングの基礎を学び、Merge SOPやCopy SOPを使った具体的な手法を見ていきます。最後に、簡単な実習を通して、学んだ知識を実践に繋げます。
- SOPの基本
- プリミティブ図形の作成
- レンダリングの基本
- カメラとライトの設定
- プロシージャルモデリングの基本
SOPの基本
- SOP = Surface Operators
- 3Dジオメトリを生成、編集、操作するためのオペレーターファミリー
- ジオメトリ: 3D空間における形状や構造を表すデータ
- 点、線、ポリゴンメッシュ、NURBSカーブ/サーフェス、メタボールなど、さまざまなタイプの3Dデータを扱うことができる
SOPの主な機能と役割:
- ジオメトリの生成 (Generators):
- 基本的な3D形状(プリミティブ)を作成
- 例: Sphere SOP (球)、Box SOP (立方体)、Grid SOP (格子状平面)、Tube SOP (管)、Line SOP (線)、Circle SOP (円)
- ジオメトリの変形・加工 (Modifiers):
- 既存のジオメトリに対して移動、回転、スケール、変形などの操作を加る
- 例: Transform SOP (移動、回転、スケール)、Twist SOP (ねじり)、Noise SOP (ノイズによる頂点移動)、Subdivide SOP (細分化)、Extrude SOP (押し出し)
- ジオメトリの結合・選択・分割 (Combiners/Selectors):
- 複数のジオメトリを結合したり、特定の条件でジオメトリの一部を選択・削除
- 例: Merge SOP (複数のジオメトリを統合)、Join SOP (ポリゴンやカーブを接続)、Group SOP (点やプリミティブをグループ化)、Delete SOP (指定した点やプリミティブを削除)
- データの変換とユーティリティ (Conversion/Utility):
- ジオメトリの種類を変換したり、ジオメトリに関する情報を取得・操作
- 例: Convert SOP (ポリゴン、NURBSなどの形式変換)、Attribute Create SOP (新しいアトリビュートを作成)、Point SOP (点の位置やアトリビュートを個別に操作)、Sort SOP (点やプリミティブの順序を変更)
- 他のオペレーターファミリーとの連携:
- SOP -> CHOP/DAT: SOP to CHOPやSOP to DATを使い、ジオメトリの頂点座標、法線、色などのアトリビュート情報をCHOP(チャンネルデータ)やDAT(テーブルデータ)に変換して、他の計算や制御に利用
- CHOP/DAT -> SOP: CHOPやDATのデータをCHOP to SOPやスクリプト経由でSOPのパラメータやアトリビュートに適用し、ジオメトリを動的に変化させる(例:オーディオデータで頂点を動かす)。
- レンダリング: SOPで作成・加工されたジオメトリは、Geometry COMPに格納され、Material (MAT) によって見た目が定義され、Render TOPによって最終的に画像としてレンダリングされる
プリミティブ図形の作成
SOPの基本的な使い方を学ぶために、まずはプリミティブ図形を作成してみましょう

2D
- Line SOP: 直線を作成
- Circle SOP: 円を作成
- Rectangle SOP: 長方形を作成
- Grid SOP: 格子状の平面を作成
3D
- Box SOP: 立方体を作成
- Sphere SOP: 球を作成
- Tube SOP: 円筒を作成
- Torus SOP: トーラスを作成
SOPの操作
SOPのオペレータ上で様々な操作を行うことができます

- SOPを選択して、パラメータウィンドウで設定を変更
- ビューワーアクティブにして、マウスで操作
- 表示の切り替え
- ワイヤーフレーム表示
- 頂点の表示
- 法線の表示 など
SOPのレンダリング
- SOPを配置は3Dジオメトリの形状を作成しただけ
- 最終的に画像として表示するためには、Render TOPを使用してレンダリングを行う必要がある
- Render TOPは、3Dシーンを2D画像としてレンダリングするためのコンポーネント
- 3Dを2D画像としてレンダリングするために必要な3つの要素
- カメラ: 3Dシーンを撮影するための視点
- ライト: 3Dシーンを照らすための光源
- マテリアル: 3Dジオメトリの見た目を定義するための素材
実際にオペレーターを接続しながら解説していきます!
SOPのレンダリング基本

- SOPでプリミティブ図形を作成
- Geometry COMPを作成し、SOPを接続
- Camera COMPとLight COMPを配置
- Render TOPを作成し、Camera COMPとLight COMPが自動的に接続される
SOPにマテリアルの適用 + 回転

- Phone MATを作成し、Geometry COMPに接続
- Render TOPに接続されたGeometry COMPのマテリアルを変更することで、ジオメトリの見た目を変更できる
SOPのレンダリング – 様々なパラメータを調整

様々なパラメータを調整して、3Dジオメトリの見た目を変更してみよう!
- カメラの画角や位置
- マテリアルの色や質感
- ライトの位置や強度
- SOPの形状やサイズ など
応用: プロシージャルモデリング
- SOPを使って、プロシージャルに3Dジオメトリを生成することができる
- プロシージャルモデリングとは、数式やアルゴリズムを使って自動的に3D形状を生成する手法
- SOPのパラメータを数式やCHOPのデータにリンクさせることで、動的に変化するジオメトリを作成できる
SOPのMergeとCopyとTransformでモデリング

- Merge SOPを使って、複数のジオメトリを結合
- Copy SOPを使って、ジオメトリを複製
- 複製の際に位置や回転やスケールを指定することができる
- Copy SOPのTransformタブで設定
- Transform SOPを使って、複製したジオメトリの位置や回転を変更
- いろいろ試してみましょう!
応用: より複雑なプロシージャルモデリング

- 様々なSOPを組み合わせて、より複雑なプロシージャルモデリングに挑戦!
- Line SOPとSweep SOPを組み合わせて、複雑な形状を作成
- Line SOPをPattern SOPで変形させて波打つような形状へ
- Coyp SOPを使って複製していく
実習: プロシージャルモデリングに挑戦
ここまでの内容を踏まえて、Copy SOPやTransform SOPを使って、プロシージャルモデリングに挑戦してみましょう!
- 例えば、以下のような形状に挑戦してみてください
- 複数の円柱を並べた形状
- 波打つような形状
- 複雑な幾何学模様
制作サンプル
アンケート
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